2013年10月6日日曜日

18 労働審判第一回目

労働審判は裁判官1名と労働審判委員2名で構成される労働審判委員会が、 原則として3回以内の期日で事件を審理する手続です。
通常で考えられている裁判とは趣は異なりますが、裁判所でとり行われる正式な労働問題専門の裁判です。

さすがに裁判所から正式な出頭命令が来たら相手方の会社も無視するわけにはいかないでしょう。

密かに連絡をとったシステムさんの話によると社長は何やら大慌てでどこかに相談しにいったとか。
会社お抱えの社労士もいないし、弁護士にでも相談にいったのかしら?
まぁ、会社側が弁護士つけないのはあり得ないらしいですから。
うーん、そうなると労働審判の席では相手方と弁護士を相手に1人で戦うことになるのかー。
弁護士以外の代理人が認められていないので、センター:Yさんは中に入れないんですよ。

8月17日に正式に受理された申立書とともに相手方に裁判日が通知されています。
9月28日の第一回期日の10日前までに相手方は答弁書(反論)を提出しなければなりません。
これは法律で決まってるそうです。

私の方はこの答弁書との戦いになるのです。

センター:Yさんの話やネットでも色々調べたところ、この答弁書はたいてい人格否定・虚偽のオンパレードで読んだら精神を病みそうな内容であることが多いらしいです。
しかしそれをきっちり読み、すべて潰していくことが大事なのです。
まぁ、最初に送られてきた内容証明があれでしたから、多分相手方も色々調べて強烈なことを書いてくることは安易に想像できます。

ところが1週間前になっても答弁書は送られてこなかったんです。
不安になって翌日裁判所に電話したら「こちらにも送られてきていませんね。連絡しておきます。」とのこと。

2日前になっても来ないので再度裁判所に電話。
しかし同じ答えが返ってきました。
センター:Yさんも「ヤバいヤツやな。答弁書出さへんかったらこっちの言い分が全部通るだけやのに。」とつぶやいてました。

そして当日。
えぇ、ものすごい緊張しましたよ。
だって久しぶりにあの社長と顔をあわせることになるんですもん。
仕事でクライアントに会いに行く時のスーツ姿で挑みました。

しかしですな。
いつまでたっても相手方は来ない。
で、書記官さんが待合のソファーに来て「昨日夕方相手方より郵便で答弁書と本日欠席するという旨の手紙をいただきました。本日は1人で入っていただくことになります。」

はぁ?
裁判に欠席ですか?
しかも答弁書を前日夕方に提出?
日本の司法をなめているとしか思えない!

完全に頭に血が登った状態で労働審判が行われる部屋へ入りました。
ものすごく顔が引きつっていたと思います。

部屋に入るとそこには大きめの真ん中が空洞になった円卓があり、真ん中に裁判官を含む3人の審判員が座っていました。

裁判官の方から着席をすすめられ緊張しつつも着席。
するといきなり「相手方が来られませんがこのまま第一回を行いますか?」と質問が。
「相手方が来ないとできないものなんですか?」と驚きつつ答え、そのまま続けることになりました。

その後は私の申立書をもとに色々な質問をされました。
相手方がいなかった分落ち着いて話ができたように思います。
逆に質問もしました。
「このような席に相手方が来ないというのはよくあることなんですか?
裁判ってものすごく神聖なものだと思うので欠席というのが信じられなくて…」と聞くと、
「あまり例を見ませんね。どういうつもりなのか分からないです。」との答えが。
やっぱり常識では考えられないんだ。

この時点ではどのような方向に向かうか全く分からず、審判員さんたちも終始ポーカーフェイスで中立的な態度でいらっしゃいました。
何にも変なこと言わなかったよなー…、と不安になりましたよ。

結局1時間弱ほど話をして次回期日を決め、その日は終了しました。
次回は10月20日です。

あれだけ緊張して挑んだのに肩すかしです。
裁判所の1階でセンター:Yさんに電話して報告しました。
「相手方が来なかったって!?アホちゃうかそいつ。あとで泣きをみるわ。心配せんとき。こっちに有利になったからな。相手方の答弁書をもとに次回への対策を練ろう。」と力強く言ってくださいました。
ほんのちょっと安心。
この人に相談して良かったと思いました。

そう、私の労働審判第一回目は異例の相手方欠席という結末になったのです。

0 コメント:

コメントを投稿